01/08/2026
[archive 1963]
出光興産高槻社宅第2棟
Idemitsu Takatsuki Housing Complex 2nd / Osaka 1963 / Sakakura Associates
いずれも1階の床を高くしたのは、当然1階各戸のプライバシーを保つためであった。第1棟のそれは最初1階をピロティとし、そこに倉庫をとっていたが、これも費用の関係で倉庫は裏にブロックでつくり、ピロティは低くおさえたいとの要求で現在のように半階分の高さとした。それでも第2棟が建つとこれらの透いた足もとはふたつの壁に囲まれた中庭の圧迫感を少しでも救ってくれている。
各戸のプランにおいては内外空間のつながりを最大限に感じられるように南、北面ともに室内空間いっぱいの開口部をとり、そのようにディテールを考えた。また室内空間相互の関係においては完全に独立することが必要なところ以外はのびのびとした生活のできる空間、連続したひとつの空間として感じられ、実際にもそのように使えるよう留意した。このとき襖、障子は壁としてではなく軽いスクリーンとして、畳は床に敷かれたひとつの家具として感じられるよう注意をはらった。とくに小面積の第2棟においては、和室と洋間とを南北につながるひとつの空間とするために互いの目の位置を考慮して畳の部分を200mm高くして両方同時に落着いて使えるようにした。公団などのアパートでは全体として小さな面積でありながら、独立するでなく連続するでもない、いくつかの空間にわけられているが、使いにくく、せまくるしく感じてよくないと思う。
バルコニーについてはアパートでの庭でありたいと思い少しでも自然の緑をとり入れた明るいものにするために第1棟では赤い鉄筋の格子をとおして太陽光線を入れ、第2棟では和室にすわって目の位置より低くおさえられたフラワーベットをおいた。入居者がそれぞれの好みに応じて草花を育て外観からもそれがひとつの自分の住居の目じるしになれば……と思いながら。
第1棟で各階、扉の色をかえて各戸の目じるしとしたが、できればアパートでは階段裏など各戸へのアプローチに変化が欲しいものだと思い、第2棟ではそれぞれ異なったアプローチになるよう考えてみた。
その他、壁構造としたのは、小さな空間の天井や壁面に煩雑な凹凸をなくすためで、できるだけ入りすみの暗い部分のない平坦な面とするようにした。色彩の方は各人の生活とその道具が個性を発揮されることを考えておおむね白くあげた。(山崎泰孝)
The first-floor level was raised, naturally, to ensure privacy for each unit on that floor. These open spaces beneath the floors help alleviate, even if only slightly, the sense of confinement in the courtyard enclosed by two walls.
In the floor plans for each unit, we designed the details to maximize the sense of connection between indoor and outdoor spaces by incorporating openings that span the full width of the interior on both the south and north facades. Furthermore, regarding the relationship between interior spaces, we took care to ensure that—except where complete independence was necessary—the spaces feel like a single, continuous area where residents can live freely, and that they can actually be used in this way. In doing so, we paid close attention to ensuring that sliding doors (fusuma) and paper screens (shoji) are perceived not as walls but as light screens, and that tatami mats are perceived as a piece of furniture laid on the floor.