日本における電力自由化は、まず、1995年の第一次電力改革では、卸電気事業について参入許可を原則撤廃し、一般電気事業者(10電力会社)の電源調達について独立発電事業者(IPP)による競争入札制度を導入しました。2000年の第二次改革では、発電と小売を兼営する特定規模電気事業(PPS)の新規参入を許可し、小売市場における販売の一部を自由化しました。これによって小売分野では一般電気事業者とPPSとの競争体制ができあがりました。2003年の第三次改革において、小売市場の自由化範囲が拡大され、卸売電力市場における取引活性化を目的に卸電力取引所が設立されました。これと同時に、垂直統合が維持された一般電気事業者が所有する送配電線を、PPSや卸自家発事業者が公平に利用できることが電力自由化の重要な鍵となるため、送配電利用における公平性・透明性・中立性を確保することを目的とする中立機関の設立が決定されまし
た。
「有限責任中間法人 電力系統利用協議会」(Electric Power System Council of Japan, ESCJ)は、この目的をもって2004年6月に日本における唯一の「送配電等業務の中立機関」として、経済産業大臣の指定を受けて創設されました。その主要な業務は、行政のチェックの下で電力系統に関するさまざまなルールの策定・監視、給電連絡業務、系統情報の提供です。その組織は、中立者(学識経験者)、一般電気事業者、特定規模電気事業者、卸電気事業者・自家発事業者等を会員として、会員の事業規模に応じた会費を基礎にして、会員代表の理事による民主的な決定手続きによって運営される民間の組織です。
「電力系統利用協議会」は、2005年4月に送配電等支援業務を本格的に開始して以来、今日まで電力の安定供給の確保と連系線利用等の利便性向上の両立を目指し、諸課題に対し迅速・的確に対応し、着実にその成果を上げてきております。なお、2008年12月に公益法人制度改革の一環として「中間法人法」が廃止されたため、2009年4月に「一般社団法人 電力系統利用協議会」に名称変更しました。
今後とも、送配電業務における公平性、透明性、中立性を確保し、また電力系統の着実な運用・監視を通じて、国民の負託にこたえてまいりますので、一層のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。